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今日のアフリカ

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深刻さ増すコロナ第二波

2021/01/18/Mon

アフリカにおける新型コロナウイルス感染症の直接的な影響は、これまで比較的軽かった。しかし、昨年末以降の第二波の影響は深刻だと17日付ファイナンシャルタイムズ紙は警告している。
 総人口13億人のアフリカは、これまで310万人の新型コロナウイルス感染者数、7万5千人の死者数を記録している。米国のそれぞれ2400万人、40万人と比べれば、相対的に抑制された影響だと言えるだろう。しかし、過去1か月の状況は深刻である。感染者数が18%増加し、ナイジェリア、エジプト、南アでは増加率が25%を超えた。死亡率が世界平均の2.2%を上回るアフリカ諸国は、20か国に達している。ナイジェリア、エジプト、南アでは、この間に死亡率が3割上昇した。
 ナイジェリア、セネガル、スーダン、南ア、DRCでは、病院のベッド数や酸素吸入器のキャパシティが足りていないと報告されている。ナイジェリア疾病予防センター(Nigeria Centre for Disease Control)のイヘクウェアズ(Chikwe Ihekweazu)センター長は、医師たちがトリアージのために厳しい選択を強いられる段階が近いと述べている。
 アフリカCDCのンケンガソン(John Nkengasong)センター長は、最近の患者数の増加ペースが昨年7-8月の第一次ピーク時の2倍に達しており、クリスマスシーズンの旅行の影響が大きいと分析している。また、「感染防止疲れ」もあるという。
 AUのラマポサ議長は先週、アフリカ54か国で2億7千万回分のワクチンを確保したと述べた。ただし、Covaxの枠組み以外で企業と交渉してワクチンを確保したのは、アフリカのなかで南アだけである。ラマポサは、6月まではワクチン接種の対象が医療従事者に限定される見込みで、感染症の拡大を抑え込むには十分ではないだろうと述べている。「広くワクチンがいきわたるための時間稼ぎをする」しかなく、「マスク着用、ソーシャル・ディスタンシング、手洗いといった日常の基本に立ち返る必要がある」というナイジェリアの国家プライマリ・ヘルス・ケア開発庁シュアイブ(Faisal Shuaib)長官の言葉は、説得的である。