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今日のアフリカ

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米議会乱入事件に対するアフリカの反応

2021/01/09/Sat

6日にワシントンで起こった議会乱入事件は、世界を驚愕させた。7日付ルモンド紙は、この事件に対するアフリカの反応を伝えている。
 ギニアのニュースサイトLeDjely.comは、「アメリカがアフリカよりひどくなる時」と題して、この混乱を伝えた。記事は、「アメリカの民主主義は壊れている」として、「今や、政治指導者に民衆が扇動されるのは、コナクリ、アビジャン、キガリだけではない」と述べている。
 マリのツイッターでは、「バイデン、トランプ両候補は対話を通じ、法を尊重しつつ問題解決を図らねばならない。駐米マリ大使は、危機打開について協議するため、近日中に両者と面会する」という投稿が「いいね」を集めた。常日頃、アフリカ諸国に向けた欧米の姿勢を念頭に置いたジョークである。コートジボワールでは、「『クソの国』といったのはどいつだ、恥を知れ」という投稿があった。トランプが2018年にアフリカからの移民について、「『クソの国』(shithole countries)から来た連中」と呼んだことを人々は忘れていない。
 BLM(Black Lives Matter」のデモに対して「法と秩序」を強調していたトランプ氏が支持者層を扇動したことに対して、「白人の特権」というコメントが多数見られた。アルジェリアでは、ブッシュのイラク侵攻にひっかけて、「トランプが民主主義を確立するために米国に侵攻した」という投稿が見られた。
 今回のトランプ氏とその支持者の行動は、愚かしさを白日の下にさらけ出し、世界の嘲笑を招いた。それによって彼の政治的影響力が低下するのなら、それだけは歓迎される結末と言えよう。