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今日のアフリカ

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ガーナ大統領選挙でアクフォ=アド再選

2020/12/19/Sat

7日、ガーナで大統領選挙、議会選挙が行われた。現職のアクフォ=アド大統領が再選を果たし、与党の新愛国党(NPP)が僅差で勝利した。9日の選挙委員会の報告によれば、アクフォ=アドが51.6%と過半数を制し、対立候補のマハマ前大統領は47.6%であった。中等教育の無償化政策などが評価されたと報じられている。
 国会議員選挙についても、全274議席のうち、NPPが137議席、NDCが136議席(1議席は未決)と僅差ながら与党の勝利となった(12月17日付Africa Confidential)。EUの監視ミッションが選挙が成功裏に組織されたと評価するなど、総じて公正な選挙が実施されたと評価されている。
 しかし、この結果に対し、マハマとNDCは投票に不正があったとして、法廷闘争を行うと宣言した(11日付ルモンド)。アクフォ=アドとマハマは、これまでにも大統領選挙での対決を経験しており、2012年にはマハマに敗れたアクフォ=アドが法廷闘争に持ち込んだ。この時はマハマの勝利確定までに8か月を要し、その間国政が停滞したと指摘されている。その後法改正がなされ、42日以内に判決を出すように変わっている。
 マリやコートジボワール、ギニアなど、選挙に絡んで政情が混乱した周辺国と異なり、ガーナでは、1992年に軍政からの民主化を遂げて以降、一貫して安定した民主主義体制が維持されてきた。大統領選挙前には、混乱もなく「退屈」なほどだという報道まであった(6日付ルモンド)。一方で、今後の政権運営では債務管理など取り組むべき課題も多く、アクフォ=アドの二期目が注目される。