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今日のアフリカ

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ジンバブエにおける政権批判の締めつけ

2020/08/26/Wed

 エマーソン・ムナンガグワを大統領とするジンバブエ政権が、コロナウイルス対策を理由としながら、政権批判に対する締め付けを強めている。8月22日付のアルジャジーラは、政権に対して異議を唱えていた野党議員ジョブ・シクハラ氏の逮捕を報じた。国内最大野党の副議長であるシクハラ氏は、7月31日の抗議集会の計画を理由に警察の指名手配リストに載った後、姿を隠していた。これは、同じ抗議集会を計画し、大衆の暴力を煽動したとして7月下旬に逮捕された、国際的に活躍するフリーランスのジャーナリスト、ホプウェル・チノノ氏や野党政治家ジェイコブ・ンガリヴフメ氏と、その他20人から60以上と言われる関係者の逮捕に続くものである。ジャーナリストのチノノ氏は、コロナ対策のための防護具や検査器具の契約をめぐって保健省内で大規模な汚職が行われていたことを報道していた。そのため、アムネスティ・インターナショナルはチノノ氏の逮捕をジャーナリストが社会的関心の高い報道をすることに対する威圧であり警告だであるとして非難している(7月20日付)。

 ジンバブエではハイパーインフレや経済的危機が続き、3年前にムガベ政権が退任に追い込まれた際に約束された経済的回復をムナンガグワ政権が実現していないと不満が溜まっていた。今回のコロナウイルスの流行により、更なる失業者の増加、物価の向上、食料の不足などが起こっている。また、医療施設に必要な防護具が行き渡っていないため医療者によるストライキなども行われている。しかし、ムナンガグワ大統領は政権を批判する人々を、「外国の中傷者と手を組んだ社会主義者」として非難し、コロナウイルス対策を謳う治安部隊がデモなどを暴力的に弾圧している。

 このような事態に対してSNSを通した「#ZimbabweanLivesMatter(ジンバブエ人の命は大事だ)」運動が高まり、南アの政治家や通称AKAとして知られるラッパー、ケルナン・フォーブスなどの有名人なども積極的に参加しグローバルな広がりを得ている(BBCニュース8月6日付)。また、ジンバブエのカトリック司教会議も、政府の汚職や権力の濫用について批判する声明を出した(BBCニュース8月16日付)。しかし政権は依然反政権勢力を非難し、カトリック司教たちが「危機を捏造している」として批判を拒絶している。締め付けの方向は収まる気配はない。