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今日のアフリカ

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マリでクーデタ

2020/08/19/Wed

18日、マリのケイタ大統領は、シセ首相らとともに軍キャンプに連行され、逮捕された。その後、19日のBBCは、ケイタ大統領がTVで演説し、辞任を発表したと報じた。2012年に、当時のトゥーレ大統領がクーデタで追われてから8年。既視感のあるクーデタである。
 18日段階の報道では、クーデタの指導者は不明であったが。19日になって、BBCは、指導者としてMalick Diaw大佐の名前を挙げている。
 マリでは3~4月に実施された選挙をめぐって国民の間に不満が強く、6月からは大規模な大衆運動に発展していた。7月にはECOWAS(西アフリカ経済共同体)が仲介に入ったが、不調に終わっていた
 2012年以来、マリではイスラーム急進主義勢力の影響により、北部、中部で極度に治安が悪化している。加えて、コロナ禍のために経済がダメージを受けており、これらの要因が合わさる形で国民の不満が募っていた。
 大統領の逮捕、そして辞任表明に、大統領辞任を要求してきた反政府勢力は大いに沸くだろう。しかし、それが問題の解決に程遠いこともまた明白である。