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今日のアフリカ

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ケニア農業・食料部門への打撃

2020/06/05/Fri

6月4日付ファイナンシャルタイムズは、Covid-19によるケニア経済、特に農業・食料部門への打撃について報じている。ケニアでは、花卉、野菜、果物などヨーロッパ諸国向け園芸産業が近年急速に成長したが、3月以降、国際線の停止に伴って、輸出がほぼ停止している。これにより、毎日350万ドルの損失が生じていると推計されている。
 加えて、物流の混乱が食料供給に大きな打撃を与えている。タンザニアからのトラック流通が一例である。ナイロビ市場に対しては隣国タンザニアから多くの生鮮食料品が輸出されているが、Covid-19の拡大によって、ケニア保健省の指示に従い、国境でトラックドライバーが新型コロナウイルス感染症の検査を受けることになった。国境で採取された検体の検査結果がナイロビから戻ってくるまで5日程度必要で、トラックはその間、炎天下での待機を余儀なくされる。生鮮食料品はこの間に確実に傷んでしまう。以前は毎日250台のトラックがケニア・タンザニア国境を通過していたが、現在では50台程度しか通れないという。ナイロビでは、生鮮食料品不足のため、価格が高騰している。
 ケニアはサバクトビバッタの被害にも直面しており、農家は二重三重の打撃を受けている。農業部門のダメージは、食料価格へと跳ね返り、都市住民の生活を直撃する。心配なニュースである。