現在のエチオピアの政権については、民族帰属に基づく4つの政党が連立与党を形成している。今般、それらの政党が1つに合併する動きがあることがわかった。
連立与党であるエチオピア人民革命民主戦線(EPRDF)は、オロモ人民民主機構(OPDP)、アムハラ民族民主運動(ANDM)、南エチオピア人民民主戦線(SEPDF)、そしてディグレ人民解放戦線(TPLF)の4つの党から構成されている。
EPRDF内でこの合併・新党結成を問う投票がすでに実施されており、この与党連合が合併して一つの政党となる可能性が高まってきた。アビィ首相は、この新党の名称を「Prosperity Party」とする旨発表している。
他方、この合併に反対を表明しているのがTPLFである。TPLFの議員のひとりは、アビィが正当な手続きを踏んでおらず、この動きが非民主的なものであると批判している。
TPLFは、1989年のEPRDF結成時にその中核となった政党であり、1991年に軍部主導の社会主義政権を打倒し、TPLFのメレス・ゼナウィが政権の座に就いてから、長らくEPRDFの中枢にあった政党であるが、昨年アビィが首相に就いてからは、その影響力を弱めてきた。
この合併への参加を巡りTPLFは岐路に立たされているとの見方もある。進展次第では、合併から外れて来年5月の選挙で野党に転じることもありうるだろう。選挙に向けてエチオピアの政党再編がどのように展開するか注目したい。