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コンゴ東部の治安問題とチセケディ大統領の政権基盤

2019/11/18/Mon

フランス国際放送(RFI)は、15日夜、コンゴ民主共和国東部ベニ近郊で14人の民間人が殺害されたと報じた(16日)。この地域では近年、民間人が何者かに虐殺される事件が多発しており、コンゴ政府や国連は、もともとウガンダの反政府武装勢力であったADF(Allied Democratic Force)の仕業とみて、ここ数か月は大規模な掃討作戦を進めていた。今回の事件は、これに対する報復とみられる。ADFによる治安悪化は、この地域でエボラの蔓延が収まらない原因の一つともなっており、コンゴ政府も国際社会も危機感を深めている。12日には、フランスで開催された平和フォーラムに参加したチセケディ大統領と会談したマクロン仏大統領は、コンゴ東部の武装勢力に対してフランスが軍事的支援を行うことを確約した(13日付ルモンド)。
 この間チセケディは、積極的な外交を展開している。国内基盤が脆弱なチセケディにとって、外交は自らの政権基盤を強化するための重要なツールである。今年1月の就任以来、訪問国はすでに20か国に達したという。これにより、上述のフランスの支援や4年ぶりとなるIMFからの融資を引き出す成果はあった。一方、11月中旬には117人を連れてウガンダを訪問したとのことで、予算を浪費しているとの批判もある。コンゴの人権NGOのLuchaは10月、「共和国移動大統領フェリックス・チセケディは、本日コンゴ民主共和国を公式訪問した」と皮肉った。国内の問題にもっと目を向け、国内各地域を訪問してほしいという声は支持者内からも高まっている(11日付ルモンド)。
 中央および各州の議会や行政がカビラ前大統領に近い勢力で占められている現在、チセケディ自身のパフォーマンスを発揮できる場は国内に乏しい。とはいえ、外遊を繰り返すだけでは、国内の支持者さえ離れてしまう可能性がある。政権基盤の弱い大統領のジレンマである。