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今日のアフリカ

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リビア内戦の膠着化

2019/06/30/Sun

トリポリ南方約100Kmに位置する町ガリヤン(Gharyan)が、26日に連邦政権(GNA)側に奪還された。トリポリ攻略を目指すハフタル将軍率いるLNA(リビア国民軍)側には痛手となる。ハフタルはベンガジを中心に東部リビアを実効支配していたが、今年4月上旬にトリポリ攻略を宣言して進軍を開始した。ハフタルに対しては、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプトが支援しており、当初は早期に軍事的決着を見るとの見通しもあった。しかし、ハフタルの侵攻に対してトリポリの民兵組織が反発し、GNA側に立って軍事反攻に転じたことなどから、事態は次第に膠着の様相を呈している。LNA側にとって、ガリヤンはトリポリ攻略上の重要拠点であった。内戦が早期に軍事的決着を見る可能性は、考えにくくなっている。
 ガリヤンの攻防戦では、トルコがGNAに提供した軍事用ドローンが大きな役割を果たしたと、6月29日付ルモンド紙は報じている。LNA側に対してもアラブ首長国連邦など近隣支援国が武器提供をしており、リビアはシリアやイエメンに似た状況に陥りつつある。