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今日のアフリカ

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コンゴ民主共和国、チセケディ新政権の基盤

2019/03/24/Sun

3月21日、米国財務省はコンゴ民主共和国選挙管理委員会(CENI)のナンガア(Corneille Nangaa)委員長、カティンテイマ(Norbert Katintima)副委員長、CENIアドバイザーでカティンテイマの息子であるバセンゲジ(Marcellin Basengezi)氏の3人について、資金横領、選挙準備妨害、憲法裁判所判事贈賄などの理由により制裁を科すと発表した。この3人は、既に2月に米国国務省から制裁対象とされている。選挙管理委員会の中心メンバーに制裁を科す一方、米国政府は、チセケディ新大統領の正当性に疑義を挟まないと表明した。大統領選挙には不正があったが、選出された大統領とは一緒に仕事をするということである。とにかく前大統領のカビラが交代したのだから良しとしよう、ということだろう。
 こうした考え方には一理あるが、チセケディ政権発足から時間が経つにつれ、カビラ派の権力基盤が強固であることが明らかになってきた。カビラ派のFCCは、12月末の大統領選挙と同時に実施された下院選挙および州議会選挙で過半数を獲得している。3月15日に実施された上院選挙でも圧倒的な多数を占めたが、上院議員と知事は州議会議員が選出するので、これは当然の結果である。3月22日付アフリカ・コンフィデンシャル誌は、カビラ政権で情報相を務めたメンデ(Lambert Mende)がサンクル県の、カビラの弟ゾエ(Zoe Kabila)がタンガニーカ県の知事になるとの見立てを報じている。上下両院、州議会、州知事と、コンゴのフォーマルな権力機構はすべてカビラ派が押さえることになる。まだ新首相は発表されていないが、首相は議会与党から出すとされているので、カビラ派が就任することが確実視されている。なおカビラ自身は、終身名誉上院議員の地位を得たと報じられている。
 チセケディは数百名に及ぶ政治犯の釈放を発表するなど、前政権との違いを強調することに熱心だが、カビラ派から自律性を保つのは容易ではない。上院選挙では自派UDPSから当選者を出すことができず、不満を持つ支持者が騒動を起こした。今後、チセケディが自派の突き上げを食う局面が増えることだろう。