• アクセス
  • English
  • 東京外国語大学

今日のアフリカ

今日のアフリカ

南アの電力不足悪化

2019/03/21/Thu

南アフリカでは電力不足から大規模な計画停電が実施され、混乱が広がっている。経済の中心地ジョハネスバーグでも、停電によって信号機が停止し、帰宅を急ぐ人々で混乱が広がった(19日付ファイナンシャルタイムズ)。電力不足の背景には、国営電力会社Eskomの経営難がある。Eskomの発電能力は45,000メガワット(MW)だが、施設の老朽化などにより、現在は27,000MWの需要にも応えられないという。同社は300億ドルを超える債務を抱えると言われ、2月に政府が債務救済措置を発表したばかりである。Eskomの経営危機に対しては、ズマ政権下で放漫経営が放置されたとの指摘もある。また、今回の電力危機には、モザンビークを襲った巨大サイクロンで送電線が切れたことも影響している。

 南アでは5月8日に総選挙が予定されており、停電は政治問題化の様相を呈している。与党ANCの選挙対策幹部は、計画停電は早晩解消されると述べて(20日付FT)、問題の火消しに躍起になっているが、停電が長引くほど野党に格好の攻撃材料を与えるだろう。