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今日のアフリカ

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モザンビークにおけるサイクロン被害

2019/03/20/Wed

モザンビークのフィリペ・ニュシ大統領は、14日にモザンビークに上陸したサイクロン「アイダイ」による死者が1000人にのぼる可能性があると発表した。「アイダイ」は勢力を維持したまま上陸したのち、内陸のジンバブウェとマラウィにまで被害をもたらし、3か国で合計150万人が被害を受けたとされている。このサイクロンは最大風速40メートルを記録し、カテゴリー2に分類される。これは2017年にアメリカのフロリダを襲ったハリケーン「イルマ」に匹敵する威力であるとされている。人口50万人のモザンビークの港湾都市ベイラは今回のサイクロンによる被害が最も大きく、地すべりや浸水被害が生じている。ベイラは海抜0メートルに位置しているためにサイクロンによる高潮被害が著しく、援助機関によると都市の90%が破壊され、50万人以上が影響を受けたとされる。

コペンハーゲン大学の研究によると、今世紀のアメリカにおける「カトリーナ」級のハリケーン発生頻度がこれまでの10倍にまで増加すると予測しており、これには地球温暖化が大きく影響していると指摘している。アフリカ大陸は赤道をまたいでおり、特に東海岸は、インド洋上に発達する熱帯低気圧の影響を受けやすい。これまで、モザンビークで「アイダイ」のような強いサイクロンが勢力を保ったまま上陸することは少なかったとされているが、気候変動にともない、今後はその頻度が増す可能性が高いと考えられる。