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今日のアフリカ

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マクロン仏大統領の東アフリカ訪問

2019/03/16/Sat

マクロン仏大統領は、3月11日~14日にかけて、ジブチ、エチオピア、ケニアの東アフリカ3か国を歴訪した。このうちジブチは旧フランス植民地であり、フランスの他にも米国、中国、日本などが軍用施設を構える紅海沿岸の要所である。この訪問に対しては経済面のみならず、軍事的にもアフリカでのプレゼンスを高める中国への牽制との解釈が示された。ジブチは近年フランスに対して、十分な投資がなく、閣僚の訪問もない、と不満を表明していたが、こうした感情への手当の意味があるという(3月11日付ルモンド)。
 一方、エチオピアとケニアへの訪問に関しては、経済的な目的が大きいと見られている。今回の大統領訪問には多数の仏企業トップが随行している。エチオピアは急速な経済成長を続けており、アフリカ第2位の人口規模からも市場としての魅力が大きい。ケニアも東アフリカ経済の中心だが、フランス大統領の訪問は史上初めてというから意外である。フランスの対アフリカ関係は、旧植民地が集中する西アフリカに偏っており、ケニアにとってフランスは17番目の貿易相手国に過ぎない(3月15日付ルモンド)。中国、インド、そして日本との関係を背景に経済成長を続ける東アフリカへの足掛かりを、フランスも真剣に考えているということであろう。