• アクセス
  • English
  • 東京外国語大学

今日のアフリカ

今日のアフリカ

ナイジェリア大統領選挙

2019/02/16/Sat

ナイジェリアでは2月16日に大統領選挙が予定されている。2億人近い人口を有するアフリカ最大の産油国は、1999年の民主化以降、曲がりなりにも民主主義を維持してきた。前回2015年には野党候補ブハリが勝利し、選挙を通じた政権交代を遂げた。これまでは選挙のたびに暴力が発生し、数百~千人規模の死者が出ていたが、今回は2月13日に2人の主要候補が「平和協定」に署名し、平和裏な選挙実施を呼びかけた。
 今回の選挙はそれほど盛り上がっているとは言えないようだ。現職のブハリは76歳。清廉な元軍人というイメージで前回は勝利したが、第1期目は目立った成果を上げられず、ロンドンでの長期入院が話題となった。期待されたボコハラム対策も、あまり進んでいない。対立候補のアブバカル(Abubakar Atuku)も長年政界、実業界で活躍した大立者で、当選しても大幅な刷新は期待できないとの評判である。
 選挙前日になって、ロジスティクス面の不備から選挙延期の可能性が高まっているとのニュースが報じられた(ファイナンシャルタイムズ紙)。これは珍しいことではない。2011年の大統領選挙はロジ面、治安面の理由で1週間、2015年にはボコハラムの影響で6週間延期された。ナイジェリアは自分のペースで事を進める国である。国際社会を含め、こうした遅れはそれほど問題視されていない。確かに、ナイジェリアの人々が納得できるペースで事を進めることが一番だ。(パリ時間の16日午前3時配信のルモンド紙電子版は、1週間延期されて23日の実施となったと報じている。選挙延期が当日未明に決定されたようだ。)