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ルワンダ虐殺とフランス

2019/02/09/Sat

2月7日にルモンド紙がキャリーした仏通信社メディアレポート(Mediareport)とラジオフランスの報道(6日付)によれば、フランスの対外諜報機関DGSE(Direction général de la séurité extérieure )は、1994年4月6日のルワンダ・ハビャリマナ大統領搭乗機撃墜事件がハビャリマナ大統領派急進派の犯行であるとの見解を内部でまとめていた。この報道はDGSEの資料開示に伴うもので、1994年9月にまとめられた資料では、テオネスト・バゴソラとローラン・セルブガという2人の国軍中枢の「フトゥ急進派」が大統領搭乗機撃墜事件の首謀者だとして名指しされている。
 この報道はフランスとルワンダの関係を考えるうえで、きわめて重要である。ハビャリマナ大統領搭乗機撃墜事件は、ジェノサイドの引き金となった一方で、その首謀者は今日に至るまで判明していない。そして事件直後から、ハビャリマナ政権内急進派犯行説と内戦時の敵対勢力RPF(現ルワンダ政権与党)犯行説の異なる見解が対立してきた。こうしたなか、当時から仏政権の有力者は総じて、犯人がRPF側だとの見解を示してきた。よく知られているように、仏予審判事はこの事件の首謀者がRPF中枢だとして、カガメ現ルワンダ大統領(内戦当時RPF総司令官)側近複数名を起訴し、両国の国交断絶を招いた。その後、昨年12月になって、仏司法が起訴を断念した経緯がある。
 DGSEは米国で言えばCIAに相当する機関であるから、それがルワンダ内戦終結の直後から仏政権主流派と異なる見解を持っていたことはきわめて興味深い。DGSEの見解が表に出なかったのはなぜか。ミッテラン政権高官が揃ってRPF犯行説に組したのはなぜか。DGSEに首謀者として名指しされた2人のうち、バゴソラは国連安保理が設立したルワンダ刑事裁判所で懲役35年の刑を受けて服役中だが、後者は仏国内に居住しており、仏当局はルワンダへの引き渡しを拒んでいる。
 ルワンダのカガメ政権は、一貫してフランスがジェノサイドに加担したと主張してきた。フランス政府はこれを一蹴し続けてきたわけだが、7日付ルモンド紙は、ジェノサイドにおけるフランスの役割を検証すべきだとの同国NGO関係者の声を紹介している。1994年当時の仏当局の振る舞いについて解明を求める声は、国内外から高まってくるだろう。