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今日のアフリカ

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スーダンの反政府デモ

2019/01/07/Mon

1月6日、首都ハルツームにて反政府デモが発生した模様。参加した市民は、バシール大統領の辞任を訴え、市内各所から大統領官邸を目指し行進したものの、治安部隊と衝突し阻止された。一部報道によると同部隊は催涙ガスを使用し、参加者を解散させたとのこと。この混乱のなかでハルツーム大学教員ら約20名とジャーナリスト3名らが逮捕された。

スーダンでは、先月19日、同国東部でパン・燃料の価格高騰に対する抗議活動が発生したのち、経済問題を巡るバシール現大統領の辞任要求へと転じ、各地で抗議運動が生じていた。今月1日、野党らは「自由及び変革の宣言(Declaration of Freedom and Change)」に署名しつつ、バシールの退陣を訴え、同月4日の抗議運動に参加するように市民に呼びかけていた(なお、同9日にも抗議活動が予定されている)。

野党らは、バシール政権に代わる移行期政府の設置を目指しているが、他方、30年近く政権を掌握してきたバシールは、現下、辞任の意向を示していない。政府は拡大する抗議活動を受けて、ソーシャル・メディアの使用を制限したり、政治的指導者や活動家を拘束したりするなど沈静化に躍起になっている。

国際NGOによると、一連の抗議活動で既に30名を超える死者と多数の負傷者が出ている。この市民デモがどのような展開を迎えるか。果たして2011年の「アラブの春」のように長期政権の打倒に結び付くか否か。国際的な注目を集めている。