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今日のアフリカ

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コンゴ民主共和国の選挙、一週間延期

2018/12/21/Fri

20日、コンゴの選挙管理委員会(CENI)は、12月23日に予定されていた選挙(大統領、国会議員、地方議員)を30日に延期すると発表した。13日未明にキンシャサの倉庫で発生した火災によってタッチパネル式の投票用機器が多数消失し、追加の納品が間に合わないことが理由である。火災による消失は7000台とも8000台とも言われる。火災については、与党、野党それぞれが相手に責任があると公言したし、19日にはキンシャサ市長が同市内での選挙キャンペーンを停止する命令を発出した。かなり混乱が高まっている印象を受けるが、現在のところ、与野党を問わず、選挙を実施するという点では共通している。

 選挙については、カビラに指名されたシャダリ(Emmanuel Ramazani Shadary)が、現職大統領と政権与党をバックに優位に立っている。有力な野党候補として、ファユル(Martin Fayulu)とチセケディ(Felix Tshisekedi)がいるが、特にファユルは当局から様々な形で妨害を受けているようだ(12月21日付Africa Confidentiel)。暴力行為のため、与党の勢力が強い地域での遊説を取りやめざるを得なかった。

 今回の選挙を、コンゴ政府は外国からの支援なしで実施している。そのため、選挙監視団を送っているのは、アフリカ連合などの地域機構に留まっている。この選挙は何をもたらすのだろうか。欧米などにやれと圧力をかけられてやる選挙だが、実施する以上は欧米に口を出させず、自分がコントロールできるやり方でやるということか。この選挙が行われたとしても、特別な成果や状況の改善は望めない。ただ、政権側には、とにかく選挙をやり切ったという自信が生まれるだろう。