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今日のアフリカ

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ブルンジ紛争調停の行き詰まり

2018/10/25/Thu

24日、タンザニアのアルーシャで5回目のブルンジ人対話会議が開始された。ブルンジは、2015年以来、ンクルンジザ大統領の三選問題をめぐって事実上の紛争状態にあるが、この会議はその調停を目指してタンザニア主導で開催されてきた。しかし今回、ブルンジ政府側は、10月はルワガソレ(1961年)、ンダダエ(1993年)という2人の政治指導者が暗殺された月であり、追悼が必要だとして会議への出席を拒否した。これに対して野党側は、理由にならないとして非難したが、政府側が参加しなければ対話にも交渉にもならない。意味のある成果は期待できない。
 ブルンジ政府はこれまでも、この対話会議の野党側参加者に交渉の余地がない者が含まれているとして、参加を渋ってきた。2015年5月のクーデタ未遂事件の首謀者などを指してのことである。これまでも、この対話会議から成果らしい成果は生まれていない。今回の政府側による事実上の参加拒否を受けて、タンザニア主導の調停の失敗が明らかになった。タンザニアはブルンジの隣国であり、政治的利害を有している。今回の調停失敗は、そうした国が和平を主導することの難しさを示している。