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今日のアフリカ

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エチオピア、新たな工業団地が開所

2018/10/12/Fri

 10月7日、アビィ・エチオピア首相は、オロミア州に新たに建設されたアダマ工業団地の開所式に出席した。エチオピア政府は2025年までに中所得国になるための国家ビジョン(「ビジョン2025」)を掲げており、従前からの農業に加え、製造業を中心とした工業化を推し進めることで経済成長を維持することを目標としている。このことから、現下エチオピア各地で工業団地開発プロジェクトが進行している。
 今般、開所に至ったアダマ工業団地は、100ヘクタールの土地に建設された巨大なものであり、中国企業がその建設を受け持った。エチオピア投資委員会(EIC)によれば、同工業団地ではアパレル、布製品、革製品、製薬等の生産が中心となり、現地で多くの雇用が生みだされるという。
 アビィ首相は、同団地のロケーションがエチオピア・ジブチ間の鉄道路線、及びアディスアベバ・アダマ間の高速道路からも近いことにも触れ、同国の製造業を推し進める拠点になるとして同団地の開所を祝福した。
 他方で、同国では労働人口の約7割が農業に従事しているというデータ(World Statistics Pocketbook 2016)もあり、同プロジェクトが工業団地周辺の農村社会に与える影響は少なくないと思われる。工業団地建設・拡大に係る土地を巡る問題や労働形態の変化などといった動向には注視する必要があるだろう。