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今日のアフリカ

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アフリカで拡大する肌の漂白

2018/09/07/Fri

9月2日、AFPはアフリカで拡大している肌の漂白クリームについての記事を掲載した。この記事によれば、米ノースカロライナセントラル大学の研究者ヤバ・ブレイ氏は、「肌の漂白は、白さと共に権力や特権を手に入れようとする人々の意識の表れだ」と指摘しているとし、特に10代の若者の間で肌の漂白が大幅に増加する傾向にあると報じている。WHOは2011年、ナイジェリアだけでも女性の77%が漂白クリームを使用していると推定している。

漂白クリームは皮膚の異常を引き起こすだけでなく、腎臓、生殖器に損傷を与えると指摘されており、がんを引き起こし、神経系に影響を及ぼし、胎児をむしばむ危険性があるとされている。近年では漂白クリームだけでなく、胎児の肌を白くするための錠剤も違法に流通している。ガーナでは違法薬物の使用増加を受け、妊婦への警告を発している。この違法薬物は、胎児の四肢や内臓の損傷を含む先天異常を引き起こす可能性があると指摘されている。

一方で、肌の漂白への批判の高まりもみられ、ガーナでは今年の2月、激しい訓練中に出血する可能性があるとして、入国管理局の採用試験で漂白クリーム使用者を失格とすることが取り決められた。世界的にみれば、インスタグラムでは黒い肌をたたえるハッシュタグ「#Melaninpoppin(メラニンは美しい)」が話題となっており、フェイスブックではアフリカの美しいファッションを配信する「african fashion」のフォロワー数が24万人を超えている。また、2018年公開の映画「ブラックパンサー」が大ヒットし、色彩豊かな衣装と黒人俳優のありのままの肌の美しさが評価された。しかし、漂白クリームの使用拡大の様子から、アフリカではいまだ白い肌を称賛する傾向が強いといえる。