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今日のアフリカ

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ハチのフェロモンでゾウを撃退

2018/07/27/Fri

7月24日のAFPの報道によると、米科学誌カレント・バイオロジーに、ハチのフェロモンがゾウ撃退に有効かを検証した研究成果が発表された。ゾウの目や鼻の軟組織は、ハチに刺されたときの痛みに特に弱いため、ゾウはハチへの警戒心が強いとされてきた。既存の研究では、ゾウはミツバチの羽音を嫌うことや、ハチが危険を感じて群で飛ぼうとするときに発するにおいを認識していることが指摘されている。今回の研究では、ハチのフェロモンを付着させた靴下を木の枝につるす実験をおこない、靴下に近づいたゾウの多くが警戒心や不安を表す兆候を示したことが報告されている。

アフリカ各地の保護区の近くでは、ゾウによる農作物被害が拡大している。アフリカではすでに、ゾウから作物を守るためにミツバチの巣箱を設置する取り組みがなされているが、一方でハチの巣箱を大規模に導入するのは難しいとも言われている。ハチのフェロモンの研究が今後、ゾウと人の衝突を回避するための持続可能なツールとして発展していくことが期待される。