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今日のアフリカ

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キール南スーダン大統領がマチャール前第一副大統領と面談

2018/06/21/Thu

6月20日、アディスアベバにて、サルヴァ・キール南スーダン大統領とリエク・マチャール前第一副大統領が面談した。両者の面談は、2016年7月にジュバで戦闘が生じ、マチャール率いる勢力(SPLA/M-IO)がキール率いるSPLA/Mに軍事的敗北を喫して同国を脱出して以来、おおよそ2年ぶりとみられる。

この面談は、アビィ・アフマドエチオピア首相の立会いのもとで実現した。アビィはこの面談について「南スーダンで続く困難に直面し、エチオピアはただ傍観するだけでいられない。さらなる働きかけにより、同国の平和は実現可能」とツイートし、南スーダンの和平実現に対し、外部の関与が重要な役割を果たすとの見方を示した。

上述の戦闘勃発直後、マチャールは第一副大統領職を罷免され、南アフリカで軟禁状態にあったことから長らく政治の表舞台から遠ざかっていた。今般のアビィの仲介によるキール-マチャール面談の実現は、和平協議の枠組みにマチャールを取り込むかたち、すなわち、より包括的な和平調停の実現に向けた第一歩として評価できる。

他方、その後の報道によれば、同面談の結果にアビィは失望したと言われている。両者は重要な権力分掌の問題については議論せず、代わりに2016年7月の戦闘における責任問題について言葉を交わし、また、キールはマチャールに対して第一副大統領復帰を諦めるようにも述べたと言われている。

紙上の形式的合意だけでは何ら意味がないことははっきりしており、今後継続する和平協議においては、双方にとって納得可能、履行可能な和平合意締結が望まれている。そのためには調停国の継続的な関与が今後も必要となるだろう。