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今日のアフリカ

今日のアフリカ

アフリカにおける気候変動の議論

2018/06/14/Thu

6月12日、BBCはジンバブウェやナミビア、南アフリカ、ボツワナ、ザンビアなどで現存するバオバブの古木(樹齢1000年から2500年)が大量に枯死していることを報じた。過去12年のうちに最も古く大きいバオバブのほぼすべてが枯死したと報告されており、その原因は不明とされる。疫病などの可能性はなく、とくに南部アフリカに影響を及ぼしている気候変動が一部関係している可能性があるとされる。

アフリカ大陸ではこのほかにも気候変動の影響とされる環境変化の事例が報告されている。たとえばモロッコでは、気候変動の影響から降水量が減少し砂丘が拡大したことで、20世紀のあいだに国内の3分の2のオアシスが消滅したと指摘されている。

近年、アフリカ諸国の科学者たちが気候変動に関する議論を重ねている。2017年にはアフリカの気候変動に関するワークショップが初めて開催され、アフリカの20の国から80人以上の環境学者が参加し、気候変動メカニズムに関する研究成果を報告した。次回は2019年の開催を予定している。また今月タンザニアで開催された気候変動会議では、医療寄生虫学者や政治学者らが、気候変動によって病気の蔓延や貧困拡大が生じる可能性を示し、アフリカ諸国の政府へ早急な対応を呼びかけた。

気候変動に関してはこれまでも議論されてきたが、近年の干ばつの発生や急速な人口増加も相まって、アフリカ諸国の関心が高まっている印象を受ける。