報道によれば、6月5日、エチオピア政府はエリトリアとの国境問題に関し、2002年に常設仲裁裁判所国境画定委員会が定めた境界線を受け入れる旨発表した。これにより、両国の国境問題の収束と関係修復が期待される。
両国においては、1998年に武力衝突が勃発したのち、2000年に現アフリカ連合の和平調停により和平合意が締結されるまで、2年8か月もの間戦争を続けた結果、双方併せて10万人以上の戦死者を出す事態となった。和平合意締結後も、一部地域の領有権を巡る対立が続くなど、両国は緊張関係にあった。
同報道に先立ち、エチオピア議会は、今年2月に発令された非常事態宣言の解除を発表している。アビィ・アフマド首相にとって、今般の境界線の受け入れ及び非常事態宣言の解除は、就任時の公約を着実に履行したかたちとなる。
首相就任からわずか2か月ながら、国内外の安定化対策に積極的に取り組む姿勢は、実行力に長けるといった新首相の印象を国内外に与えるものである。