5月8日付IRIN配信ニュースによれば、タンザニアが難民政策を変化させている。同国は難民に対して寛容な政策で知られ、ブルンジやDRCなどから多くの難民を受け入れてきた。特にブルンジからは、1972年の大虐殺以降、数十万人の難民が流入したが、耕作地を与えて長期的に受け入れる政策をとってきた。また2007年には、ブルンジ難民に対して、帰国するかタンザニア国籍を取るかを選択させる帰化政策をとり、世界的に注目された。この政策では、難民の8割程度にあたる約20万人がタンザニアへの帰化を選択した。既に17万人にはタンザニアの市民権が与えられたという。しかし、2015年に成立したマグフリ政権の下で、難民政策が変化しているという。2017年以降ブルンジ人難民への国籍付与政策が停止され、2018年1月には、タンザニアは国際的な難民支援の枠組みCRRF(Comprehensive Refugee Response Framework)から離脱した。研究者は、タンザニアは難民支援を続けてきたが、国際社会からそれに見合う支援を受けていないという意識が同国政府関係者に強いと指摘している。実際、2018年1月、UNHCRはタンザニアの難民支援のため資金拠出を各国に求めたが、集まった資金は必要額の5%だけしかなかったという。2015年以降のブルンジ情勢の混乱によって、ブルンジ難民は本国に帰還しにくい状況がある。一方、タンザニアでは、人口増や経済成長、外資流入に伴って、土地不足が顕在化しつつある。難民政策の変化にはこうした背景があると見るべきであろう。アフリカ諸国はこれまで、押しなべて難民に寛容な政策をとる国が多かったが、今後こうした状況が他の国でも起こることだろう。
今日のアフリカ
タンザニア 難民政策の変化
2018/05/11/Fri