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今日のアフリカ

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チャドで新憲法採択

2018/05/07/Mon

チャドでは、4月30日に下院で新憲法が採択された。同国では3月下旬に大統領のイニシャティブで「制度改革フォーラム」が開催され、憲法改正が決定された。新憲法では、大統領任期を6年とし、再選のみ可能とすること(現在は任期5年、三選禁止条項なし)、首相職を廃止することなどが決められた。野党側は、憲法改正は下院の議決ではなくレファレンダムによるべきだと主張し、4月30日の採決を多くの野党議員がボイコットしたが、圧倒的多数を占める与党勢力により新憲法が採択された。デビィ現大統領は1990年に武力で政権を握って以来、国家元首の座に座り続けている。2005年には憲法の三選禁止条項を撤廃した。今回の措置は三選禁止条項を再び導入するものだが、これによりデビィは2033年まで大統領職を継続できることになる。事実上現職大統領の任期を延長するための憲法改正は、近年アフリカで目立っており、2015年にはルワンダやコンゴ共和国で同様の憲法改正がなされている(詳しくは、武内進一「アフリカの三選問題」『アフリカレポート』2016年参照)。