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今日のアフリカ

今日のアフリカ

アフリカと債務

2018/04/13/Fri

ここのところ、アフリカの新たな債務問題を指摘する記事が目立つ。ファイナンシャルタイムズ紙によれば、12日、IMFのラガルド専務理事は、中国の一帯一路構想を支持しつつも、既に相当の債務を抱えている国への新たな貸し付けが及ぼす危険性について注意を促した。また同日、格付け会社のFitchは、アフリカ諸国は2023年までに65億ドルの債務支払いが必要となっており、これは過去5年間の支払いが14億ドルであったことと比べると巨額である旨を指摘している。3月に発表されたIMFのポリシーペーパー(Macroeconomic Developments and Prospects in Low-Income Developing Countries-2018)でも、低所得開発途上国(LIDC)のなかで債務危機に瀕する国が増加しているとして注意を促しており、2017年の段階で、エリトリア、ソマリア、スーダン、ジンバブエ、チャド、南スーダン、コンゴ共和国、モザンビークを危険な状態(debt distress)に分類している。また、2013年に比べて危険な状態に移行するリスクが悪化した国として、中央アフリカ、カメルーン、モーリタニア、ガーナ、イエメン、ガンビア、ラオス、ザンビア、エチオピアを挙げている(pp.42-43)。現状が直ちに1980年代のような債務危機を意味しているわけではないが、十分な注意が払われるべき状態にあると言えよう。