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今日のアフリカ

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コンゴ共和国と仏企業の関係

2018/04/11/Wed

4月10日付のルモンド紙は、「パラダイスペーパー」の分析から、石油会社トータルがコンゴ共和国政府にIMFの規制を回避した資金獲得を指南した実態を報道している。記事によれば、概要は次のようなものである。もともとコンゴ共和国と深い関係があった仏石油企業エルフ・アキテーヌがトータルに買収された後、コンゴ政府との間でエルフが抱えていた問題(コンゴ政府はエルフが石油採掘権を不当に安く獲得したとして、補償を求めていた)を解決する措置の一環として、トータルは2003年に石油開発地の一部をコンゴ政府に譲渡した。コンゴ政府は財政難に苦しんでいたが、将来的に産出される石油を担保にして資金を獲得することは、汚職を促すとしてIMFに禁じられている。トータルはリクアラSAというペーパーカンパニー設立を主導し、コンゴ政府に石油開発地を売却させた。その後、リクアラSAにはパリ国立銀行(BNP)から資金が貸し付けられた。こうした複雑な取引は、様々な問題を映し出す。フランスと旧植民地アフリカ諸国の特殊な関係(「フランサフリック」)もその一つだし、石油資源が豊富なコンゴ共和国がほとんど恒常的に財政難に苦しんでいることにも驚かされる。この国は、2017年末にも財政破綻の危機に直面し、IMFに債務支払いの減免措置を依頼している。近年の資源価格下落に伴って、アフリカ諸国の債務危機が懸念されている。そのなかで、企業と政府の歪んだ関係がまた浮かび上がるかもしれない。