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今日のアフリカ

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G20とアフリカの債務問題

2018/07/22/Sun

7月20日付ルモンド紙は、7月21,22日にブエノスアイレスで開催されるG20で、アフリカを中心とする低開発国の債務問題が議題に上がる見込みだと報じた。貿易摩擦に隠れて目立たない感があるが、昨年来アフリカの債務問題への警鐘が繰り返し報じられている。2010年代に入って、アフリカ諸国では総じて債務が急速に増加した。2017年のアフリカ諸国の債務額は平均でGDPの57%に達しており、5年間でほぼ倍増している。格付け会社S&Pによれば、アフリカ諸国の債務支払い額は政府歳入の11%に達し、2011年の4%から大きく増加している。ザンビアでは債務支払い額が教育部門の予算額を上回ったという。2017年にはモザンビークとコンゴ共和国がデフォルトを宣言した。IMFは今年3月に刊行した報告書で、多くの国にとっては債務は管理可能な水準にあり、過度な懸念は不要としつつも、アフリカ8か国に債務危機の恐れがあると述べている。債務の内訳に関しては、民間部門からの条件の厳しい債務が増えていること、また中国からの債務が中心になっていることが指摘されている。中国からの債務はサハラ以南アフリカ諸国の債務総額の14%に達したとされている。