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今日のアフリカ

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ECOWASがマリに対する制裁を解除

2020/10/07/Wed

10月6日、ECOWASはマリに対する制裁解除を発表した。これは、10月1日、移行政権の活動を規定する移行憲章において、大統領不在時に副大統領が昇格する条文が取り消されたことに対応する措置である。8月18日に起こったクーデタの首謀者ゴイタ大佐が副大統領に座る移行政権で、有事の際にゴイタがそのまま大統領に昇格する仕組みを作らないというのが、ECOWASの意向であった。その条件を移行政権が吞んだわけである。
 とはいえ、制裁解除の前日に発表された移行政権の新内閣では、国防相、治安相、地方行政相、国民和解相など重要ポストを軍人が占めた(6日付ルモンド)。新内閣を主導しているのが反乱軍であることは明らかである。また、クーデタの際に逮捕された首相らの釈放や、反乱軍が樹立したCNSPの解散といった、もともとECOWASが主張していた要求はまだ完全に実現していない。ECOWASとしても、そろそろ区切りをつけて次のステージに進みたいという意向が透けて見える。