中国が建設したAU本部の建物から機密情報が流出していた疑いがあるとのルモンド紙の報道については、1月28日付の「今日のアフリカ」でも紹介したが、その後アフリカ側からこの報道を打ち消す反応がでている。ブルンジのンクルンジザ大統領は新華社とのインタビューに答え、同国に対する中国の支援を称賛するとともに、ルモンド紙の報道について、AUサミットの直前にこうした記事を掲載するのは中国とアフリカの良好な関係を裂こうと意図したものだと述べた。また、ルワンダの政府系新聞『New Times』も、同記事は、アフリカに対する自らの影響力低下と中国の台頭を恐れたフランスが、中国とアフリカの関係を裂こうとしたものだと似たような見解を述べている。さらに同記事は、AUサミットの後で、ここにはスパイされるものなどない、とルモンド紙の報道を否定したエチオピアのデサレン首相のコメントも紹介している。アフリカの政府関係筋がこうした報道を否定するのは、予想されることである。ルモンド紙の報道への反応は、長期的に観察する必要があるだろう。
今日のアフリカ
AU、中国
2018/02/08/Thu