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今日のアフリカ

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中国の2つのサミット

2019/05/14/Tue

4月25~27日に第2回一帯一路サミットが北京で開催された。ルモンド紙によれば、アフリカ54か国のうち同サミットに参加しなかったのは15か国だけだったという(5月8日付)。債務の罠との指摘があるが、ルモンド紙の中国専門コラムニスト(Sébastien Le Belzic)は、中国はアフリカ債務のかなりの部分を減免していると述べている。2000年~2018年に、72件の債務(総額22億ドル)が、ザンビア、ガーナ、スーダン、ジンバブウェなど約30か国で帳消しにされたという。
 同紙によれば、一帯一路サミットの1週間後、第2回中国アフリカ軍事サミットが開催され、アフリカ45か国から軍の代表などが参加した。最初の軍事サミット開催が2018年6月だから、2年足らずのうちに第2回を開催したことになる。アフリカからの参加者は、人民解放軍の施設を見学するため天津、北京などの都市を訪問した。
 中国が意図的にアフリカを債務の罠に引き摺り込んでいるというのは単純な見方だが、中国が善意だけでアフリカ外交を行っているわけでもない。軍事サミットは、中国のアフリカ外交が軍事面も重視していることを物語る。中国はアフリカのPKOでも重要なプレイヤーになっているが、アフリカの軍との関係強化や武器の売却もサミットの重要な目的になっている。