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今日のアフリカ

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エチオピア

2018/02/16/Fri

【エチオピア現地報告1(松波康男特任研究員)】
ハイレマリアム首相が辞任を表明したことにより、エチオピア政府の動向が注目を集めているなか、16日、エチオピア公共放送(EBC)は、同政府が非常事態宣言を発出した旨を報じた。
先月から、エチオピア政府は、オロモ人指導者を含む政治犯を解放するなどして国内各地で継続されている反政府デモの鎮静化を図ってきたものの、依然として解放に至らない拘束者が多いことなどに関連し、今月12日以降もオロミア州各地で反政府デモが活性化していた。また、同州農村住民から聞いた話では、オロモ人指導者らの解放を祝う集会でも逮捕者がでた模様。ハイレマリアム辞任及び非常事態宣言発出はこういった混乱への対応と見る向きが現地でも強い。
報告者は、15日から16日昼ごろにかけて、アディスアベバのマルカート、アラット・キロ、ハヤフレットなどといった市内各所を歩いたが、混乱は見られず平穏なようすだった。兵士や警察が普段より多く展開しているといったことも確認できなかった。過去に学生デモが行われたアディスアベバ大学や繁華街ピアッサなども普段どおりの人の往来があり落ち着いていた。
一方、当地の有識者に聞いた話では、政府はこの週末にも会合を開き新首相指名の準備に取り掛かるとの未確認情報も入っているため、ここ数日は注意が必要とのことであった。また、現連立政権で強い立場にあるティグレ民族政党TPLFから新首相が指名されれば、反政府デモへの影響は必至であると思われるが、現下TPLFは党内が分裂しているなどの噂も聞かれるため、後任が誰になるかは見当がつかないとの旨だった。また、ほかの現地人有識者も、指名のタイミングや人物は予見できないとした上で、アムハラ以外にもオロモ人が後任となる可能性すら現時点で排除できないだろうと述べた。
どのような交代劇になろうとも平和裡にそれが進展するように願うばかりである。