• アクセス
  • English
  • 東京外国語大学

今日のアフリカ

今日のアフリカ

アフリカの債務危機、一段落か?

2024/02/16/Fri

 2024年に入って、アフリカ諸国による外貨建て国債の発行が続いている。ルモンド紙は、アフリカ諸国が国際資本市場に戻ってきたと報じている(13日)。
 2024年1月末にはコートジボワールが26億ドルを調達し、その直後にベナンが7億5000万ドルを調達した。両国の国債は市場で高い人気を集めた。2月13日には、ケニアが15億ドルの国債募集を開始した。5億ドル規模のサムライ債(円建て債)も発行する。
 ゴールドマンサックスの予測では、サブサハラアフリカ諸国の国債発行額は、今年総計で45億ドルに達する見込みである。アフリカ諸国がユーロ債を全く発行できなかった2022~23年と比べて、状況は大きく変わりつつある。この理由としてアナリストは、FRBの利下げが近いと見込まれ投資家が再び新興国市場へ関心を持ち始めたこと、そしてアフリカ諸国の経済再建が進んできたことを挙げている。
 最近までの債務危機のなかで、多くのアフリカ諸国がIMFの勧告に従い、経済改革を行って融資を得るようになった。2020~2022年の間、IMFはアフリカ諸国に500億ドルを貸し付けた。これによって財政改革が進み、マクロ経済指標が改善した。
 2023年には、アフリカの半分以上の国が世界銀行から過重債務かその危険があると見なされ、債務危機が取り沙汰されていた。しかし、国債資本市場が門戸を開放したことでそのリスクは遠のいたとアナリストは見ている。
 楽観的な報道だが、どの程度楽観的になれるかはよくわからない。例えば、2020年にデフォルトに陥ったザンビアの債務再編は、まだ決着していない。今回の変化にしても、米国利子率の動きが大きく影響している。外部要因によって、状況はまた変わるかもしれない。
(武内進一)