• アクセス
  • English
  • 東京外国語大学

今日のアフリカ

今日のアフリカ

カウンダ元ザンビア大統領死去

2021/06/19/Sat

17日、ザンビア政府は、ケネス・カウンダ元大統領が97歳で死去したと発表し、故人を偲んで21日間喪に服することを決めた。カウンダは1924年生まれ。独立運動を率いて、1964年の独立とともに大統領に就任し、1991年まで27年間その職を務めた。最近になって体調を崩し、14日に入院が発表されていた。
 1924年生まれというのは、ジンバブウェのムガベ(2019年死去)と同い年、タンザニアのニエレレ(1999年死去)の2歳下、南アのマンデラ(2013年死去)の6歳下にあたる。ちなみに、1961年に殺害されたコンゴのルムンバより1歳上になる。独立直後のアフリカを率いた世代にあたる。
 カウンダは派手なパフォーマンスの少ない政治家だったが、その任期中には、南ア解放運動のために亡命したANC(アフリカ民族会議)幹部を数多く受け入れるなど、白人少数支配への闘争を積極的に支援した。ムベキ元南ア大統領は、「南アとアフリカ大陸の解放のために闘った巨人が倒れた」と述べている。1960年代には米国を訪問し、マルコムXとも親交を深めた(18日付ファイナンシャルタイムズ)。
 2000年に政界を引退した後は、アフリカ域内の紛争解決に尽力し、ケニア、ジンバブウェ、トーゴ、ブルンジなどで活躍した。AUは「アフリカは、最も素晴らしい息子の一人を失った」とコメントしている。息子の一人をエイズで失ったこともあり、エイズ対策にも力を注いだ。