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今日のアフリカ

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マクロン仏大統領、ワクチンアクセスの不平等解消に具体策

2021/02/19/Fri

 17日、マクロン仏大統領はアフリカ諸国首脳(エジプトのシーシ、セネガルのサル、南アのラマポサ、コンゴ民主共和国のチセケディ、コモロのアスマニ各大統領、AUC議長のファキ・マハマト、CDC-Africa代表のンケンガソン)とTV会議を開催し、アフリカにおける新型コロナウイルス感染症ワクチン接種の遅れについて、「許容できない」との認識を示した。富裕国、貧困国間のワクチンアクセスの不平等を放置できないとの考えを公けにしたもので、このTV会議での議論をG7指導者に伝えるという。
 同大統領はまた、18日にファイナンシャルタイムズ紙が行ったインタビューのなかで、先進国がワクチンストックの3~5%をアフリカに回すべきだと具体的方策を主張した。この考えに対しては、すでにメルケル独首相から同意を得ているとのことである(18日付ルモンド)。
 Covid-19ワクチンに対するアクセスの不平等は、国際社会が取り組むべき喫緊の課題である。南アフリカとインドがWTOの知的所有権保護規定を一時棚上げしてジェネリックワクチンの生産を進めるべきだと主張しているのに対し、欧米諸国はそれに反対して議論が膠着していた。アフリカの声を代表してG7に伝えるというフランスのやり方は、機を見るに敏という印象を与えるが、先進国側はここまで問題が進展しなかったことを率直に反省して、早急に対策を講じるべきであろう。