9月5日付のAl Jazeeraによれば、スーダンの安全保障・国防評議会は、4日、ナイル川の大洪水により甚大な被害が出ていることを受け、3ヶ月の非常事態宣言を発令した。
ナイル川は、ハルツームで、大湖地域を源流とする白ナイルとエチオピア高原を源流とする青ナイルが合流する。例年、エチオピア高原の雨期が本格化する8月に川の水位が上昇する。ことしは、7月末からエチオピアで降った大雨により青ナイル川の水位が大きく上昇したことにより、下流域で氾濫が発生した。スーダン政府によれば、8月末、青ナイル川の水位は、過去100年でもっとも高い17.5メートルを記録した。
スーダン国営通信によれば、洪水の被害は16州に及び、これまでに99人の死亡と46人の負傷者が確認された。また、10万棟以上の家屋が全半壊し、50万人以上が影響を受けている。
スーダン政府は、労働・社会開発大臣をリーダーとする最高委員会を設置し、今後の洪水対応にあたると発表した。スーダンの雨期は6月から10月まで続くため、さらなる水害のリスクが懸念される。委員会は、今年の洪水は、大きな被害をもたらした1946年と1988年の洪水の記録を上回る規模となるだろうと予測している。
国連によれば、もっとも大きな被害を受けているのは、ハルツーム州、青ナイル州、リバー・ナイル州であり、その他、ゲジーラ州、ガダーレフ州、西コルドファン州、南ダルフール州も影響を受けている。国連は、スーダン政府の対策を支援するため、水、食料、保健衛生用品、緊急シェルター、家庭用品の提供を行っているが、支援は十分ではなく、国際社会にさらなる支援を呼びかけている。