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今日のアフリカ

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アメリカの「信教の自由」の外交化

2020/07/24/Fri

 7月20日づけで米国の援助開発機関であるUSAIDは「国際的信教の自由(International Religious Freedom、IRF)」の最高顧問であるサマ・ノーキスト氏をUSAIDの管理者として任命したことを報じた。これは6月2日にトランプ大統領により発された「国際的信教の自由を進行させるための大統領令」に基づいた動きである。この大統領令は、世界中すべての人々に対する信教の自由を米国の優先的な外交方針と位置付け、USAIDに5000万USドル/年の予算をつけて計画と実行を命じたものである。

 2020年の「国際的信教の自由」についての年間報告では、アフリカ大陸における「特に懸念される国」としてナイジェリアとエリトリア、「警戒リスト」国として中央アフリカ共和国、スーダン、アルジェリア、エジプトの指定が推奨されている。

 「合衆国国際的信教の自由委員会」は1998年に設立されたが、米国な主流の外交・援助方針には統合されず実効性の薄さが指摘されてきた。今回の動きによって、外交を通じた「信教の自由の権利」を守る動きが加速することが予測されている。

 もともと福音派を中心とするキリスト教団体のロビー活動を背景に成立したこの委員会には、キリスト教を中心とするバイアスの存在が指摘されている。また、信仰だけでなく社会や法を規程する側面を持つイスラームや、家族の伝統として認識されることも多い在来信仰に、個人が自由意志で選ぶものというプロテスタント的な宗教理解を押し付ける可能性や、政治・民族・経済や歴史が複雑に絡み合う紛争を宗教の問題として扱うことで、世界を宗教化する動きになることも懸念されている。「信教の自由」の外交化の促進でどのような介入が各国に行われるのか今後の動向を見守りたい。