4月22日、世界銀行はプレスリリースで、現下の新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、2020年の世界全体の海外送金額が昨年に比べて2割減少し、5540億ドルから4450億ドルと、1000億ドル以上低下するとの見込みを示した。この急落により、送金に依存している国々は重大な影響を受ける。
同日付ファイナンシャルタイムズによれば、2019年に、送金は海外直接投資を超え、低所得国、中所得国にとって最大の資金流入源である。その総額は、貧困国のGDPの8.9%を占めるまでになっている。送金額の大幅な減少は、移民送り出し世帯の困窮化にとどまらず、マクロな財政・金融の側面でも甚大なショックを与えるであろう。
送金額の落込みを地域別にみると、最も大きいと予想されるのがヨーロッパ・中央アジアで27.5%、次いでサブサハラ・アフリカで23.1%、南アジア22.1%、中東・北アフリカ19.6%、ラテンアメリカ・カリブ海諸国19.3%、東アジア・太平洋諸国13%となっている。
海外直接投資も大幅な落込みが予想される以上、落ち込んだとしても、海外送金は依然として貧困国にとって貴重な外貨獲得源である。移民労働者に対する配慮もまた、経済危機の中の発展途上国支援の一側面なのだ。