• アクセス
  • English
  • 東京外国語大学

今日のアフリカ

今日のアフリカ

エチオピアの選挙改革

2018/11/28/Wed

アビィ・エチオピア首相は、11月27日、野党代表者らと会談し、2020年に実施される国政選挙に向けた議論を交わした。報道によれば、この会合には与党と81の野党代表者が集い、選挙における自由と公平の確保について話し合いが持たれた模様。

同国の選挙改革に関し、先週、アビィ首相は、ブルトゥカン・ミデクサを全国選挙委員会会長に任命した。ブルトゥカンは、2005年の国政選挙後に与党の選挙不正を訴え、その後逮捕された経験を持つ元野党指導者である。2010年に米国に逃れたものの、アビィ首相による特赦のもと、今月中旬にエチオピアに帰国していた。この委員長任命の発表は、ブルトゥカンがエチオピアに帰還した翌週の出来事であった。

エチオピア現政権下の国政選挙では、とくに過去2回の選挙において、与党が圧倒的勝利を果たしている。これは、国民の政治的評価のみならず、対抗勢力の逮捕や拘束などといった、与党による抑圧的政策の結果とも批判されている(詳細はこちらを参照:児玉由佳(2015)「2015年エチオピア総選挙 -- 現政権圧勝後の展望」)。

選挙委員会長の任命をはじめとする今般の選挙改革が、これまでの選挙とどのような違いを生み出すのかという点において、次回の選挙に注目が集まる。