7月12日、南スーダン国民議会は、サルヴァ・キール大統領の任期延長を認める法案を通過させた模様。これにより、2015年7月に3年延長された現下の大統領の任期は、再度3年延長されることとなり、キールは2021年8月まで現職に留まることが可能となった。
先日の「今日のアフリカ」で述べたとおり、先月下旬、マシャール前第一副大統領が2016年7月の軍事衝突以来はじめて政治の表舞台に復帰した。その後、エチオピア、スーダン、ウガンダといった周辺国の仲介に支えられるかたちで停戦協定が結ばれるなど和平協議の成果が積み重ねられた。
今般の大統領任期の延長に対して野党は、このような新たな局面にある南スーダンの和平協議に悪影響を及ぼすとして非難している。
なお、パウリノ・ワナウィロ南スーダン司法・憲法問題大臣は、今般の延長は、大統領の任期が終了した際に正統性が失われることを回避するために必要だ、とこれを正当化している。
南スーダンの和平を巡っては上述したように、新たな局面にあるものの他方で懸念も少なくない。マシャールをどのような立場で南スーダン政府に復帰させるかといった点や、権力分掌といった難問は依然として未解決のままであり、周辺国を巻き込んだ政治交渉がどのように展開されるか注目される。