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今日のアフリカ

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コンゴ共和国で前国軍参謀長の裁判

2018/05/11/Fri

7日、ブラザヴィルで前国軍参謀総長のモココ(Jean-Marie Michel Mokoko)に対する裁判が始まった。モココは2016年3月の大統領選挙に出馬し、14%の得票を集めたが、その後国家転覆や武器隠匿の容疑で逮捕された。裁判でモココは黙秘を続けているが、5月8日付の書簡の内容が9日付ルモンド紙で報じられた。そこでモココは、「全体主義のマシーン」に立ち向かって出馬した自分を、独裁者が屈服させようとしている、とサスー=ンゲソ体制を批判している。モココは、1987~1993年に国軍参謀長を務めたが、1993年に有力政治家(リスーバ、コレラ、サスー=ンゲソ)の間で対立が激化した際、話し合いを求める声明を発したことで知られる。その際も、時のリスーバ大統領に疎まれて参謀長を更迭された。その後、内戦を経てサスー=ンゲソが政権を獲得した後は、中央アフリカでPKOを指揮するなど国外勤務が長かった。サスー=ンゲソはモココを国内に置いておきたくなかったのであろう。退役した後、大統領選挙に出馬した後に監禁、逮捕された。サスー=ンゲソ体制の性格を示す裁判として、注目されるべきものである。