1月28日、世界的な人気を誇るアメリカの動画配信者IShowSpeed氏が、貧困や暴力のイメージに隠れがちなアフリカ大陸の文化的多様性をアピールすることを目的とした、約1か月のツアーを終えた。
IShowSpeed氏は、アメリカ出身の人気動画配信者で、エネルギッシュでカオスな配信スタイルや、世界各地を訪れるライブ動画配信で知られる。ライブ動画配信は、編集をしないリアルタイムの映像に対して、コメント機能などを通じて配信者と視聴者が即時的に双方向コミュニケーションを取ることができるのが特徴である。同氏はYouTubeで5000万人以上のチャンネル登録者数、Instagramで4500万人以上のフォロワー、TikTokで4700万人以上のフォロワーを有するメガインフルエンサーである。
アフリカ20カ国を28日間でめぐる「Speed Does Africa」と題された今回のツアーでは、訪問先のガーナ、ナイジェリア、ケニア、セネガル、モロッコ、ナミビアなどの各国から毎日ライブ動画配信をおこなった。賑やかな通りを歩き回り、地元の人びとと冗談を言い合い、踊りや儀礼に参加し、市場で飲み食いする臨場感あふれるリアルタイムの様子が映し出された。1月18日には、モロッコで開催されたアフリカネイションズカップ決勝を観戦し、その後セネガルを訪れ、ファンとともに代表チームの勝利を祝っている。ナイジェリアの首都ラゴスでは、若いファンらが同氏の21歳の誕生日とYouTubeチャンネル登録者数5000万人達成の節目を祝った。(1月28日付AP通信、29日付DW)。
1月28日付の旅行観光メディアSkiftの記事によると、IShowSpeed氏のような人気動画配信者は、政府の観光キャンペーンよりも早く、アフリカのグローバルイメージを刷新する力を持つと指摘している。現に、アフリカツアーのライブ動画配信は、エチオピアでの動画は20時間以内に1000万回、続いてケニアで960万回、南アフリカで500万回という驚異的な再生回数を記録している。ケニアとエスワティニの観光局は、同メディアのインタビューにおいて、インフルエンサーによるライブ動画配信は、従来の観光マーケティングモデルを覆し、Z世代の関心を基盤とした新たなモデルの構想を可能にすると語っている。
周知のように、新しい秩序が生まれたり、変化をもたらしたりするのが、混沌の中や若い世代であることを考えると、ステレオタイプ的なイメージを変える可能性を秘めているのは、こうした一見するとカオスに見える若いインフルエンサーなのかもしれない。(宮本佳和)
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