11月26日、ウガンダのオネク(Hilary Onek)難民担当相は、「戦争状態」にある国の住民に難民庇護を与えないと表明した。特にソマリア、エチオピア、エリトリア出身者を対象に、難民受入れを制約する意向である(9日付ルモンド)。
ウガンダは、アフリカ屈指の難民受け入れ国である。難民に高い自由度を保障し、キャンプではなく村に住まわせる政策が、国際的に賞賛されてきた。しかし、USAIDの解体や、ヨーロッパ諸国(英国、フランス、ドイツなど)の援助削減のため、受け入れ体制が揺らいでいる。
ウガンダのUNHCRは、2025年の目標額の36%の資金しか集められていない。関係者は、「あらゆる社会サービスの提供が困難に陥り、60万人が食料援助を受けていない」と述べている。
今回特にソマリア、エチオピア、エリトリア出身者が標的とされた背景には、政治的理由もあるようだ。UNHCRによれば、ウガンダ政府は既に、これら三カ国出身者に対する難民登録を止めている。渡航文書偽造や人身取引などの問題が発覚したという。加えて、ウガンダが2026年1月12日に予定される大統領選挙の影響もある。選挙を前に、SNSでは反移民を訴える投稿が増えている。
特にウクライナ戦争勃発以降、人道支援は大幅に削減されてきた。今年に入り、トランプ政権の政策がそれに拍車をかけている。援助削減の影響は、すでに保健・医療分野などで顕在化しているが、人道支援分野も甚大な打撃を受けている。(武内進一)
アフリカからの留学生支援のため、現代アフリカ教育研究支援基金へのご協力を呼びかけています。