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今日のアフリカ

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セネガル指導部の亀裂

2025/11/22/Sat

 セネガルで2024年3月に成立した政権は、バシル・ジョマイ=ファイ大統領とウスマヌ・ソンコ首相がタッグを組み、国民の支持を集めてきた。ここに来て、両者の間の亀裂が報じられている。

 亀裂が表面化したのは、11月11日に発表された大統領派コーディネーターの人事である。ジョマイ=ファイはソンコの側近であるアイダ・ンボジ(Aïda Mbodj)を更迭し、元首相のアミナタ・トゥレ(Aminata Touré)を任命した。

 大統領派の最大政党Pastef(労働・倫理・友愛のためのセネガルアフリカ愛国者)党首であるソンコは、8日に開催された集会で、ンボジへの支持を表明していた(12日付ルモンド)。

 両者の亀裂は、7月頃から指摘されてきた。ソンコが社会革命を志向し、Pastefを機動力として、腐敗したマッキー・サル時代の国家機構を一掃したいと考えているのに対して、ジョマイ=ファイはより包括的なアプローチを志向し、Pastefに同盟する小政党にも役割を与えようとしている、という分析もある(18日付ルモンド)。

 若者の支持を得た、アンチ・システムの政権として、セネガルは注目を集めてきた。表出した指導者間の不一致が今後どのように展開するか、重大な局面にある。(武内進一)

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