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今日のアフリカ

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ナミビア先住民から愛されたドイツ系移民死去

2025/08/28/Thu

 ナミビアの僻地カオコランドに40年以上暮らし、キャンプ場運営や学校の設立などの支援を通して地域の人びとと交流を続けたドイツ系移民のマリウス・シュタイナー氏が、22日、首都で亡くなった。63歳だった。

 シュタイナー氏は、カオコランドに暮らす人びとのあいだで「ヘモングル(古いシャツ(を着た男性))」という名前で知られる。同氏は、44年にわたり奥地の山岳地帯で暮らし、同地域で話されるヘレロ語を習得し、彼らの習慣を受け入れ、地域の人びとと親交を深めてきた。

 地元紙エロンゴによると、シュタイナー氏は1980年代初頭、ナミビアとアンゴラの国境紛争の最中、地質学者である父親とともにカオコランドに移住した。当初は同地域に豊富な宝石のもとになる鉱物を採掘して売っていたが、観光客が突然、眠る場所を求めて来たことをきっかけに、接客業に転向した。提供していた部屋が徐々に増え、キャンプ場を設立した。

 シュタイナー氏は、観光客をキャンプ場で温かく迎えるだけでなく、同地域に暮らす先住民のヒンバやヘレロの人びとと親密な関係を築いていたことでも知られる。同氏はビジネスを通して地域の人びとを雇用し、現金収入の機会を提供していただけでなく、学校や教会、そして診療所の設立を支援し、地域の発展にも尽力した。

 妹のジャネット氏は、同紙のインタビューに対し、ヒンバへの敬意がシュタイナー氏の人生のあらゆる側面を形作っていたと語っている。また、長年の友人であるシュルツ氏は、シュタイナー氏を「物静かな伝説の人物」と評し、「ヒンバと広大なカオコランドのために心を躍らせる」人物だったと語っている。

 葬儀は30日にシュタイナー氏のキャンプ場でとりおこなわれ、先住民のヒンバやヘレロも参列する予定である。(宮本佳和)

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