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今日のアフリカ

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米国が対ルワンダ制裁

2025/02/22/Sat

 20日、米国財務省は、コンゴ民主共和国東部紛争に関連して、ルワンダのカバレベ(James Kabarebe)地域統合相に制裁を科すと発表した。米国は、カバレベがM23に対する「ルワンダ軍の支援を統括した」と非難している。また、米国国務省は、「米国はルワンダにM23への支援を終わらせる責任と、コンゴの主権と領土的一体性を尊重するよう訴える」との声明を発表した(21日付ルモンド)。

 カバレベは1996~98年に国軍参謀長、2010~18年に国防相を務めた。カガメ大統領の最側近の一人と見なされている。

 M23は、1月27日にゴマ、2月16日にブカヴを制圧した。キヴ湖沿岸に位置する2つの大都市が次々にM23の手に落ちたことで、ルワンダへの国際的な圧力が強まっている。

 EUは、21日、ルワンダ大使を召喚し、M23の攻撃を非難するとともに、ルワンダと全ての紛争当事者に即時停戦と対話を求めた。20日、ドイツ外務省は、駐ベルリンルワンダ大使を召喚し、コンゴへのルワンダ部隊駐留が国際法違反だとして強く非難した。ドイツ外務省は、ルワンダに対して、「コンゴの一体性を尊重し、部隊を撤収させる」よう要求した。

 こうした動きに対して、ルワンダは強く反発している。19日には、EUのなかで一貫してルワンダに厳しい態度を取ってきたベルギーからの援助を「中断する」と発表。米国に対しても、「制裁は不当であり、根拠を欠く」と主張している。

 ベルギーに対して「援助はいらない」と啖呵を切ったルワンダだが、約40億ドルの予算規模に対して西側諸国から約13億ドルの援助を受けている。ルワンダから輸出される鉱物資源にも疑惑の目が向けられており、EUは同国との間で締結した鉱産物貿易パートナーシップ協定の見直しを検討している(19日付ルモンド)。国際的な圧力にルワンダがどう対応するかが注目される。(武内進一)

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