サヘル地域を中心に、アフリカの広い地域で豪雨と洪水の被害が報道されている。国際NGOのセーブ・ザ・チルドレンが15日に発表した報告書によれば、ナイジェリア、マリ、ニジェール、コンゴ民主共和国などで前例のない降雨があり、多くの被害が出ているという(16日付ルモンド)。
この報告書の主眼は、洪水により学校に行けない子供が急増していることにある。その数は1000万人に上るという。貧困や紛争などのため学校に行けない子供がすでに3600万人に達しており、それに加えての数字である。
今年は雨期の開始以来、各地で被害が報告されている。9月にはナイジェリア北東部で豪雨によりダムが決壊し、マイドゥグリ市全域が水に浸かった。これにより30人が死亡し、40万人が被災したと報じられている(9月11日付ルモンド)。他に、チャド、ブルキナファソ、ギニア、カメルーンなどでも、多雨と洪水による被害が報告されている。
ここ数年、洪水の被害が頻繁に報じられるようになった。気候変動による世界的現象とも言えるが、アフリカの場合、被災者の規模が桁外れに大きい。子供の就学を阻害する状況だとすれば、長期的影響が深刻に懸念される。(武内進一)
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