カメルーンのポール・ビヤ大統領が長く姿を見せず、健康状態について憶測を呼んでいる。ビヤは91歳で、1982年以来同国の大統領を務めている。9月上旬に北京で開かれた中国・アフリカサミット(FOCAC)に出席した後、国連総会や仏語圏サミット(OIF)といった重要会議に姿を見せず、死去したのではないか、という噂が流れている。
10月8日、政府は、大統領は元気でジュネーブに滞在しており、もうすぐ帰国するとの声明を発表し、10日にはメディアに対して、大統領の健康について言及することを公式に禁止した(11日付ルモンド)。
ビヤは以前から頻繁にジュネーブに滞在し、「インターコンチネンタル・ホテルの大統領」との異名を持つ。2004年に3週間不在にした際も、死去したとの噂が流れた。
アフリカは世界で最も平均年齢が若い地域だが、老齢の政治指導者が長期にわたって政権を握ることが多い。ビヤは世界で唯一の90歳を超える国家元首で、アフリカ政治の老人支配の代表格である。他にも、エリトリアのイサイアス、コンゴ共和国のサス=ンゲソ、ジンバブウェのムナンガグワなどが頭に浮かぶ。(武内進一)
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