ケニアのルト大統領は、5月20~25日に米国を訪問した。訪問中に米国議会で演説したほか、バイデン大統領と面談した。サブサハラアフリカ諸国の首脳が米国を公式訪問し、大統領との会談や議会演説を行ったのは、2009年のエレン・ジョンソン=サーリーフ大統領(リベリア)以来のことである。
今回の訪問で注目されたのは、アメリカがケニアを「主要な非NATO同盟国」(Major Non-NATO Allies)に認定したことである。これまで「主要な非NATO同盟国」と認定されたのは、次の18ヵ国である。
アルゼンチン、オーストラリア、バハレーン、ブラジル、コロンビア、エジプト、イスラエル、日本、ヨルダン、クウェート、モロッコ、ニュージーランド、パキスタン、フィリピン、カタール、韓国、タイ、チュニジア
アフリカには3ヵ国あるが、いずれも北アフリカで、サブサハラアフリカでは今回のケニアが初めてである。
ケニアは、国連総会でのロシア非難決議に一貫して賛成し、アメリカの要請に応じてハイチへの警察派遣を表明するなど、親西側の立場を堅持してきた。サブサハラアフリカに対する中国、ロシアの浸透が目立つなかで、アメリカもまた拠点となる国を明確にしたように見える。
(武内進一)